零戦燃ゆ

今回もTVCMのネタから。深夜にデアゴスティーニの「零戦をつくる」のCMが20mm機銃の連射の如くバリバリ射ちまくる。
この「零戦」という言葉は、ある年代以上の人には、魅惑的な響きがあります。


日本のTV漫画(アニメではなく)黎明期に「0戦はやと」というTV漫画が放映されていました(もちろんモノクロ)。私たちの世代にはまだこの主題曲(アニソンではなく)を歌える者が多いです。たまに集まって酔っ払うとその頃の漫画の話になると、必ず歌に出るのが「8マン」「鉄人28号」「スーパージェッター」「狼少年ケン」「ビッグX」「宇宙少年ソラン」「0戦はやと」そして、やはり「鉄腕アトム」がある。(今は全てyoutubeで観ることができます。今観るとこんなに稚拙な映像に当時は熱中していたかと懐かしく想います)他にもその頃の話題は尽きませんが、三丁目の夕日の世界は別の機会に話すとして。


この「0戦はやと」はなんと脚本が倉本聡!主題歌の作詞も倉本聡!(北の国からの原点はこれか?)原作の「辻なおき」はタツノコプロ(日本アニメの殿堂マッハGOGOGOタイムボカンガッチャマンキャシャーン等々)創設に参加した漫画家で、「タイガーマスク」も描いています(原作はやはり首領・梶原一騎)。
当時、少年漫画誌の「冒険王」には貝塚ひろしの「ゼロ戦レッド」、のちに「少年キング」に「ゼロ戦行進曲」が掲載されており、「ゼロ戦行進曲」は戦争の悲劇をこめた作品でした。その後、零戦の後継機にあたる「紫電改」が主人公の漫画が、あのちばてつや先生の名作「紫電改のタカ」でした。


当時はまだまだ戦後であり、四条通には手足を失った傷痍軍人(戦争で負傷した軍人)さんがほどこしを求めていて、子供心にとても怖い思いをしたことを覚えています。
しかし、子供だった私には「零戦」そのものがヒーローでした(ガンダムを操縦するのと同じ感覚か?)。


そのヒーローだった「零戦」のプラモを作った人は多かっただろう、私も大小3〜4機は作った覚えがあります。
そして今、平成の現代に登場したのが、デアゴスティーニ式「零戦」。完成するまで約2年、総工費約16万円。
ですが、これほど完成度の高い模型はかつてありませんでした。2年間少年時代にタイムトラベルするのには、安いのかも知れません?



それから、是非、絶対に読んで欲しいのが
零式艦上戦闘機」 清水政彦著 新潮選書1470円 です。


今までにない「零戦」を客観的に徹底検証した本です。


そこには「零戦」への讃美した神話ではなく、科学的、状況的に分析研究された「零戦」があります。
零戦の誕生、性能、空中戦の戦闘力、「大空のサムライ坂井三郎氏、特攻機零戦、開戦から終戦までの「零戦」の勝利から敗北まで。


ここまで緻密に分析した本はかつてなかったと思います。今までの「零戦像」ではなく、改めて「零戦」への想いが深くなる事は間違いありません。


零戦」を作る人は、必ず読むべき本だと私はお薦めします。


                       搭乗員は北山でした。