最近、感動してますか?

いきなりですが、皆さんは今でも「感動」体験していますか?



先日、参加した勉強会にて「感動」について様々な考察が行われました。「感動」のメカニズムを解き明かそうとの試みでした。


「感動」、もうずいぶん長い間していないと、そこで改めて気がついたのです。


もう少々の事では驚きもしないし、感銘はしても、心を揺さぶられる「感動」はしない。もう心が固まってしまっているのでは、
と我ながら少々寂しくなりました。


人生の中で本当に感動する事というのは、そうそう多くはありません。
十年以上の時が過ぎ、すぐに思い出すのが、本当の感動ではないでしょうか?(そうすると、あまりないのですが・・・)



様々な経験や知識がまだ少ない多感な頃は、いろんな事に感動したと思うのですが、それがなかなか思い出せない。

自分の人生に影響するほどの、感動ではなかったのでしょうか?




本を読んで、その時々で涙するのは多々あります。そしてまた、読者を泣かせるように書かれている作品が多いのではないでしょうか。



中学生の頃、感動してかどうか分からないが、涙が止まらなかった本があります。


`71ベストセラーズ刊「海軍特別攻撃隊の遺書」です。(一度`94に復刊しましたが、現在は入手困難です)
 創作ではなく、本当の言葉に震え泣かされました。


 この人達の礎の上に自分達があるのだ、と心を揺さぶられました。 
 まだ純粋で若かりし頃でした。


小説では泣くことはありませんでしたが、感動したのは、なんと、トルストイの「戦争と平和」です。
あまりにも有名ですが、これは読む年齢によって、感じ方が全く違ってきます。


最近読んだ、フィリップ・ロスの小説中にも同じような事が書かれていました。


実際、私が初めて読んだのは中学3年の時、ソ連映画の「戦争と平和」の総集編(総集編なのに4時間半もあって、完全版はなんと7時間以上あります)を見てけっこう感動して、完全版が見れないので小説でと、読んだものでした。


次に読んだのは、それから7年後の大学生のときでした。それまで何も思わなかった、とにかく多くの登場人物達に
心を揺さぶられ、感銘すること然りでした。


あれから30年、もう一度読むとどのように心に響くのでしょうか、また読んでみたいと思います。


今回は、トルストイの「戦争と平和新潮文庫(全4巻)、岩波文庫(全6巻)を紹介します。


お正月休みに、ぜひ一読をお奨めします。



                     もう随分感動を忘れている北山でした